『駆込み女と駆出し男』 江戸時代の離婚をモチーフに、縁切り寺に駆け込んでくる女たち

井上ひさしが晩年、11年をかけて綴った時代小説「東慶寺花だより」。2014年歌舞伎座の新春大歌舞伎で上演され話題となったこの小説を原案に、『わが母の記』の原田眞人監督が初めて時代劇に挑戦した映画が『駆込み女と駆出し男』だ。

目指したのは時代劇のルネサンスだという。「駆込み女と駆出し男」は派手な合戦場面はないものの、疾走感あふれる展開と資料に忠実な考証で、時代劇の醍醐味(だいごみ)をたっぷりと味わえる。。

井上ひさしの時代小説「東慶寺花だより」を原案に、「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」の原田眞人監督が初めて手がけた人情時代劇。舞台は江戸時代の鎌倉。幕府公認の駆込み寺・東慶寺には離縁を求める女たちがやってくるが、寺に駆け込む前に、御用宿・柏屋で聞き取り調査が行われる。柏屋の居候で戯作者に憧れる駆出しの医者でもある信次郎は、柏屋の主・源兵衛とともに、ワケあり女たちの人生の新たな出発を手助けすることに。信次郎役に大泉洋。駆込み女に戸田恵梨香満島ひかり樹木希林堤真一山崎努らが脇を固める。。

現代の2倍はあったとされる江戸時代の離婚をモチーフに、縁切り寺に駆け込んでくる女たちが、さまざまな出会いと別れを繰り返しながら明るくたくましく生きる姿を、江戸時代後期の人々の暮らしや文化を背景に描き出す。。

時は江戸時代後期、老中水野忠邦天保の改革の真っ最中の天...